映像

30〜40分が10分に。XDCAM納品を自動化しました

テレビCMや番組の素材を放送局へ納品するとき、私たちはXDCAMディスクで納品しています。この作業を、社内のPCやMacのブラウザからボタンを押していくだけで進められる「XDCAM納品システム」を作りました。

1件あたり30〜40分かかっていた作業が、10分ほどで終わるようになりました。

起動すると起動ログが流れ、8bitのBGMとともに操作画面が立ち上がります。

これまでの納品作業

XDCAM納品は、ひとつのディスクを仕上げるまでに細かい作業がたくさんあります。

  • 記録表、メタデータ(XML)、クレジット画像、ディスクに貼るシールを作る
  • Premiere Pro でタイムラインを組む(カラーバーとトーン、クレジット、前後の静止画、本編は 01:00:00;00 から)
  • 音声のラウドネスを基準値に合わせる(CMは -24.0 LKFS、番組は -23.5 LKFS)
  • XDCAMディスクに書き出して、メタデータを所定の場所に入れる
  • 書き込んだディスクの中身を確認する
  • 記録表とシールを印刷する

書類は一部を自動で出していましたが、それ以外は担当者が手作業で進めていました。どれも間違えられない作業なので、確認にも時間と神経を使っていました。

作ったもの

社内LANにつながったPCやMacのブラウザで画面を開き、上から順にボタンを押していくと納品が進みます。

  1. フォルダを作る:広告主コードと素材コードを入れると、その納品専用のフォルダができます。素材はここに置きます。
  2. 書類を作る:広告主名やCM素材名などを入力すると、記録表・メタデータXML・クレジット画像・シール台紙がまとめてできあがります。
  3. 印刷:記録表とシールを必要な部数だけ印刷します。シールは10面の台紙のどこに貼るかを選べます。
  4. 準備:素材の健康診断(フレームレートなど)をしてから、前後の静止画を作ります。音声のラウドネスもここで測ります。
  5. タイムラインを組む:Premiere Pro がテンプレートから新しいタイムラインを自動で組み立てます。
  6. XDCAMに書き出す:ディスクに映像とメタデータを書き込みます。
  7. チェック:書き込んだディスクを読み直して、形式・タイムコード・尺・ラウドネス・メタデータなどを自動で検査します。

こだわったところ

ラウドネスは「-24.0 ちょうど」

CMは -24.0 LKFS、番組は -23.5 LKFS。小数点第1位まで基準値と一致しなければ合格にしません。ずれている場合は自動でマスターの音量を補正し、測り直して基準に収まるまで調整します。結果は画面にも大きく表示されます。

いろいろな素材をそのまま受け付ける

  • 頭にカラーバーやクレジットが入った「完パケ」素材は、本編部分だけを劣化なしで切り出します
  • 音声が CH1・CH2 のモノラルで来た素材は、L・R に正しく振り分けます
  • 4K素材は、タイムラインのフレームサイズに合わせて自動で縮小します
  • 前後の静止画は本編と同じ色の扱いで作るので、色味がずれません

間違いを先に止める

  • メタデータは、タイトルに半角文字が混ざっていないかなど、搬入基準に沿って自動で検査します
  • 素材のファイル名が正式な並びでなければ、正しい名前に直します
  • ラウドネスやメタデータが基準を満たしていないとき、同じ映像がすでにディスクに入っているときは、書き出しボタンを止めます
  • 複数枚納品のときは、何枚目まで終わったかを画面に表示し、ディスクの入れ替えを案内します

誰でも、どのPCからでも

Premiere Pro が入ったPCは1台だけで、ほかのスタッフは自分のPCやMacのブラウザから操作できます。進み具合は画面に表示され、自動で更新されます。

ちょっとした遊び心

毎日使う道具なので、触っていて楽しいものにしました。

  • 昔のハッカー映画のような、黒地に緑の文字の画面
  • 開くと起動ログが流れて「ACCESS GRANTED_」
  • 見出しにはカタカナの雨が降り、ときどきブラウン管のように画面が揺れます
  • 8bitのBGM、ボタンを押したときの効果音
  • 検査がすべてOKならクリアのファンファーレ、NGがあればゲームオーバーの音

もちろん、BGMは右上のボタンで止められます。

作り方について

このシステムは、AI(Anthropic の Claude)と対話しながら社内で作りました。現場の「ここが面倒」「ここで間違えやすい」を伝えながら、実際の素材やディスクで試して直していく、という進め方です。Premiere Pro の拡張機能、ブラウザで動く操作画面、映像・音声の解析を組み合わせています。

これから

番組納品での運用を広げながら、現場の声をもとに改良を続けていきます。

ご相談ください

XDCAM納品やCM・番組の制作について、お気軽にお問い合わせください。企業PR動画・ブランドムービーについては、制作の流れ・料金・実績をまとめた専用ページもご用意しています。

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