映像

住宅撮影の基本10項目|映像で住まいを伝えるために

住宅の映像制作は、段取りで9割が決まります。現場に着いてから考えることを減らせば減らすほど、撮れる画の質は上がります。

これまでの制作を通して積み上げてきた、住宅を撮るときの基本をまとめました。これから住宅の映像をつくる方の参考になれば幸いです。

1. 撮影時間は「建物の向き」から逆算する

住宅の外観で最も効くのは、光の向きです。

建物には必ず向きがあります。正面が南を向いているのか、西を向いているのか。同じ家でも、午前と午後ではまったく別の建物に見えます。

「午前中がいい」という決まった答えはありません。正面に光が回る時間を調べて、そこに撮影を合わせる。これだけで仕上がりが変わります。スマホの方位磁針と日照シミュレーションのアプリがあれば、事前に当たりをつけられます。

天気も同じです。快晴は青空が気持ちよく映る反面、影が硬く落ちます。外壁の素材感を見せたいときは、薄曇りのほうが有利なこともあります。

2. 灯りが入る時間は、必ず押さえる

住宅映像で最も「売れる画」になりやすいのが、日没前後のトワイライトです。

空にまだ青が残っていて、室内の照明が点いている。外と中の明るさが釣り合うこの時間帯だけ、窓の中まで見える外観が撮れます。暮らしの温度が伝わるので、どの用途でも強い素材になります。

ただし使えるのは20分ほどです。構図を決め、三脚を据え、露出を作ってから待つ。ここだけは段取り勝負になります。

3. 順番は「外から中へ」

構成の基本は、人が実際に家を訪れる順番です。

周辺環境 → 外観の引き → アプローチ → 玄関 → 廊下 → 主要な部屋 → 庭や2階から外を見る

この順で撮っておくと、編集で必ず組めます。逆に、バラバラに撮った素材は、どれだけ画がよくてもつながりません。

部屋ごとに「引き」と「寄り」を必ずセットで撮るのも鉄則です。引きで広さ、寄りで質感。編集でリズムを作るときに効いてきます。

4. カメラは、動かしすぎない

ジンバルを持つと、つい動かし続けたくなります。しかし住宅映像では、止まっている画のほうが強いことが多いです。

理由は単純で、見る人は「家」を見たいからです。カメラが動き続けると、視線が落ち着かず、空間の形が頭に入りません。

おすすめの配分は、固定7割・動き3割。動かすときも、ゆっくり一方向だけ。前に進むなら進むだけ、横に流すなら流すだけ。1カットに2つの動きを混ぜないほうがきれいに見えます。

5. 室内は、明暗差を先に潰す

室内撮影が難しい理由は、室内と窓の外で明るさが違いすぎることに尽きます。

室内に合わせれば窓の外が真っ白に飛び、窓の外に合わせれば室内が暗く沈む。そのまま撮ると「実際より狭くて暗い家」になってしまいます。

対処は3つです。

・照明を足して室内側を持ち上げる
・外の光が落ち着く時間帯を選ぶ
・レースのカーテンを閉めて窓の明るさを落とす

3つ目は手軽なわりに効きます。白いレース越しの光はやわらかく、窓の外の情報量も程よく落ちます。

6. 広角は「正直な範囲」で使う

広角にすれば部屋は広く見えます。ただし広角にしすぎると、手前のものが伸びて、実際とは違う形に写ります。

住宅は買う人・住む人がいる商品です。映像で広く見せすぎると、内見で落胆されます。短期的には効いても、信頼を損ないます。

実際の広さが素直に伝わる範囲にとどめる。これは技術の問題ではなく、姿勢の問題だと考えています。

7. 余計なものは、画角より先に片付ける

住宅は街の中に建っています。電線、ガードレール、カーブミラー、隣家、養生シート、足元の雑草。建物以外のものが必ず写り込みます。

処理の順番は、片付ける → 立ち位置を変える → 画角で外す。まず現場をきれいにするのが一番速くて確実です。撮影当日は、着いてから30分ほど片付けの時間を見ておくと安心です。

一方で、残したほうがいいノイズもあります。生活道路や近隣の家が少し入ることで「実際に人が住む場所」としてのリアリティが出ます。すべて消すと、模型のような映像になってしまいます。

8. 人を入れるかどうかは、早めに決める

人が映ると、スケール感と暮らしの気配が一気に出ます。一方で、キャスティング・衣装・撮影時間・肖像の許諾が必要になります。

決めるのが遅いほどコストが上がる項目なので、企画の最初に決めておくのが得策です。

人を入れない場合でも、カーテンの揺れ、差し込む光の動き、観葉植物など、動くものを画面に入れると映像が死にません。

9. 音を忘れない

住宅映像は無音でBGMだけ、になりがちです。しかし環境音を薄く入れるだけで説得力が変わります。

玄関ドアの開く音、床を歩く音、庭の鳥の声。現場で環境音を数分録っておくと、編集で効きます。SNS向けは無音視聴も多いので、字幕を前提に設計しておくことも必要です。

10. 納品先から逆算して撮る

同じ住宅でも、用途によって必要な画は変わります。

・SNS … 縦型。冒頭2秒で惹く画が要る。尺は15〜60秒
・ホームページ … 横型。1〜3分。じっくり見せられる
・営業資料・モデルハウス … ループ再生。音なしでも成立する必要がある

縦型が必要なら、現場で縦でも撮っておく。横で撮った素材を縦に切ると、両端が落ちて構図が崩れます。これは後から取り返せません。

「どこで使うか」を撮影前に決めておくことが、結果的に一番コストを下げます。

住宅の撮影をご検討の方へ

2FRAME2は、富山を拠点に、住宅・建築の映像制作を承っています。ドローン撮影の認定ライセンスを持つカメラマンが在籍しており、申請を含めて自社で対応可能です。企画から撮影、編集、納品までワンストップでご提供しています。

「まだ何も決まっていない」という段階でもご相談ください。

お問い合わせはこちら

コメント

この記事へのトラックバックはありません。

関連記事

最近の記事
おすすめ記事
  1. 30〜40分が10分に。XDCAM納品を自動化しました

  2. 縦型と横型、企業動画はどちらで作るべき?目的別に考える選び方

  3. 動画制作を外注する前に、社内で決めておくべき5つのこと

  4. 住宅撮影の基本10項目|映像で住まいを伝えるために

  1. 30〜40分が10分に。XDCAM納品を自動化しました

  2. 縦型と横型、企業動画はどちらで作るべき?目的別に考える選び方

  3. 動画制作を外注する前に、社内で決めておくべき5つのこと

  4. 住宅撮影の基本10項目|映像で住まいを伝えるために

TOP